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令和3年度 事業報告

1)社会福祉法人しらゆり会として

 
 前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症に対する対策に法人全体で取り組む一年となった。様々な研修への参加や情報収集に努めることにより、一部職員やその家族への感染が確認された際に迅速な検査、防疫を行い施設内または在宅利用者への2次感染を防ぐことが出来た。次年度も職員一丸となって高い意識を持ってこの問題に取り組んでいく。
 各種介護サービスの提供についてはこのような状況下ではあったが、概ね適切に行えたと考えている。次年度はより細かく利用者の状況を考慮したサービス提供が出来るよう心掛けていく。
 
事 務 所
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、利用者の安全を最優先に考え感染状況に応じた判断・対応を行うことができた。特に面会について制限を設けたり面会ルールを変更したりしたが、家族の皆様にご理解ご協力を頂けたことは大変有り難く、感染予防を徹底すると共に利用者や家族の気持ちに寄り添い、感謝の気持ちを込めて笑顔で対応する事ができた。面会ルールを把握しスムーズな対応を心がけたが、面会予約受付時に不手際があったり、利用者の体調の変化による面会ルールの変更について把握しきれなかったりして、家族に迷惑をかけてしまう事があった。今後も安心して面会して頂けるように、面会ルールと利用者の体調変化を事務所内で共通認識すると共に、他部署へ速やかに伝達できるように努めていきたい。
 

2)施設サービス

【 特養入苑者の状況 】  定員 85名(広域型56名、地域密着型29名)
退所者 29名  広 域 型 退所者20名(看取り15名、長期入院3名、その他2名)
               退所者のうち看取り75%
         地域密着型 退所者9名(看取り5名、長期入院2名、その他2名)
               退所者のうち看取り55%
 
年 齢 状 況(資料1参照)
広 域 型 最低年齢の方 70歳  最高齢の方 102歳
地域密着型  〃  〃  73歳   〃 〃  103歳
 
要介護度状況(資料3参照)
広 域 型  男性 3.6 女性 4.1 平均 4.0
地域密着型  男性 4.5 女性 4.2 平均 4.2
 
年 間 行 事
・誕生会(毎月)・クラブ活動(毎週) ・ショッピング(年10回)
・法話(年3回)・家族通信(毎月)・家族会(年4回)
・しらゆり喫茶(年9回)・折紙教室(年11回)・遠足(年1回)
・七夕ビアパーティ(年1回)・秋祭り(年1回)・お花見会(年1回)
・運動会 (年1回)・移動売店(月1回)
 
※令和3年度はこれらの行事を予定していたが、新型コロナウイルス感染予防対策として、様々な行事が中止、又は内容が変更となった。中止、又は変更になった行事は下記の通り。
・誕生会→ボランティアの受入を中止して開催する。
・クラブ活動→ボランティアの受入を中止して行う。
・ショッピング→全て中止。
・家族会→すべて中止。
・秋まつりは秋まつり喫茶として開催。
・敬老会はボランティアの受け入れを中止して入苑者のみで行う。
・折り紙教室→新型コロナウイルスの感染状況により、5月6月8月9月1月2月は中止。
・遠足→中止。
・お花見会→板城保育所との交流会は中止し入苑者のみで行なう。
 
広域型特養
 「ゆっくり・優しく・確実に」を目標に挙げ、頑張っていた職員がいる一方で、言葉遣いが適切でない職員もいた。利用者の方が安心して、穏やかに生活されるような言葉遣いが出来るように、声を掛け合っていく。また、利用者の状態把握が足りず、転倒や怪我をされた方がいた。今後は更に、日々の状態の変化をしっかりと把握し、情報を共有し対応していく。昨年度も新型コロナウイルスにより、家族と思う様に面会ができず、寂しい思いをされた方がいた。ゆっくりと本人の思いを傾聴し、笑顔で話をすることで安心された。また、行事では外部との交流する機会が無かった為、職員が余興を考え、披露し、利用者の方には楽しんでいただけたと思う。報告・連絡・相談しやすい雰囲気づくりについては、以前より出来ていたが、報告や連絡を充分理解していなかった職員がいた為、今後も伝達ノートの活用、また、重複してもよいので口頭でしっかり伝えていく。感染症については、利用者、職員共に新型コロナウイルスに感染する事は無かった。中には濃厚接触者ということで休まなければいけない職員が数名いた。そのような状況の中、他部署からの協力もあり、業務を行う事が出来た。引き続き、勉強会に参加し、日々の体調管理・施設内の消毒等を毎日行い、感染の予防・蔓延防止に努めていく。
 
地域密着型特養 
 日常の生活の中で個々の状況や状態把握を、各棟で共有することは出来きていたが、コミュニケーション不足もあり3棟での細かな共有が出来ていなかった。多くの制限がある中、少しでも楽しく過ごして頂けるよう行事やレクリエーションに参加して頂く事ができた。また、リハビリを重点に置く事で日々の生活の中で目標を持ち、しっかりと行うことができた。面会制限の為、精神的に不安定になる方もおられたが、気持ちに寄り添ったケアが十分ではなかった。利用者の気持ちにしっかりと寄り添ったケアを心がけていきたい。各部署との連携については不十分な所もあった為、利用者を一番に考えることが出来るよう「連絡・報告・相談」を行っていきたい。新型コロナウイルス感染症については感染・蔓延防止対策として施設内での勉強会を何度も行い、日々の検温・手洗い・消毒・換気等を行い感染症対策に努めてきた。引き続き常に危機感を持ちながら感染予防対策に努めていきたい。
 
医 務 室
 感染症に対しては、今年度もインフルエンザ・ノロウイルスの感染症は発生しなかったが、まだ新型コロナウイルス感染症は油断できない状況が続いており、引き続き入苑者の体調管理・感染予防対策を苑全体で連携を取りながら行った。また、新型コロナワクチン予防接種も3回施行。数人の発熱者はあったが、すぐ軽快された。看取りについては、今年度は20名の看取りを行った。コロナ過の中短時間ですが、家族が最期に本人と会うことが出来て良かったと感謝して頂いた。これからも本人・家族の意向に沿いながら、心穏やかに最後を迎えられる様に看取り、ケアに努めます。
 
食   事
 新型コロナウイルス感染症・食中毒予防のため、手洗い・うがい・手指消毒の徹底については、全員が真摯に取り組んだ。他部署の職員にも、職員玄関に於いての取り組みを充足させ、感染予防をする為に声かけを行った。その中で感染した場合の対応について、知識習得不足であった点に気づいたので、これから更に知識を深めたいと思う。食事作りに関しては、皆さんに喜んで頂けるように他部署と連携を取りながら、適温給食を含めできる限りの努力を行った。物資・資源を大切にする事については、改良されつつあるが半ばである為、個人個人の意識に問いかけたい。そして、今後は心に余裕を持ち、より良い人間関係の下で邁進したい。
 
(ア)お花見弁当     (イ)晩酌(月1回 (ウ)誕生会メニュー(月1回)
(エ)プチバースデー (オ)七夕まつり    (カ)遠足弁当 
(キ)栄養相談    (ク)喫茶(年9回)   (ケ)秋祭りバザー
(コ)餅つき     (サ)おせち料理     (シ)節  分
(ス)とんど祭り
 
※令和3年度はこれらの行事食を予定していたが、新型コロナウイルス感染予防対策として、様々な行事食が中止、または内容が変更となった。中止、または変更になった行事食は下記の通り。
・遠足弁当→中止。
・秋まつり→秋まつり喫茶として入苑者のみで開催する。
 
グループホーム 定員 18名 
 令和3年度は、「人格・個性・思い」を尊重するを目標に利用者の支援に努めてきたが、日々の支援を行う中で理念である「ゆっくり・優しく・確実に」を忘れ職員の都合で、やさしく声掛けが出来ない事もあった。個別ケアに関しては、看護・介護職員間で話し合い、その方に合った支援が十分とまでは言えないが出来ていたと思う。行事では新型コロナウイルス感染症で色々制限される中、職員同士考え、利用者の方が喜んでいただける行事が開催出来た。職員については、情報の伝達等に漏れがありグループホーム内及び他部署との連携が取れていない事もあった。また、お互いの思い、考え方の違いで問題が生じる事もあった。家族においては、絵手紙やお便り、緊急時の電話連絡等で状況報告を行っているが、時間帯によっては連絡がとれない事があり家族の方に大変ご心配をかけている。今年度は、利用者・職員双方、尊重し合える環境つくりを行い、今以上に、安心して日々の生活が送れ、安心して大切な人を預けられるグループホームを目指し、家族、また、他部署との信頼関係を築ける様に努めて行く。
 
退所者及び死亡者     3名(看取り3名)退所者のうち看取り100%
年 齢 状 況(資料1参照)  最低年齢の方 78歳  最高齢の方 102歳
要介護度状況(資料3参照)  男性 3.0  女性 3.2  平均 3.1
 

3) 在宅サービス

ショートステイ 定員 44名
 新型コロナウイルス感染を防ぐという目標については、施設内研修を何度も行い、常に情報収集を行っていくことにより感染予防ができた。又、ショートステイ利用開始後すぐに家族が感染されたとの連絡があった際も、職員同士の声掛けにて速やかな対応を行うことができた。後期より定員数50名から44名へと変更となり今迄以上により良いサービス提供を行っていく。

年間利用者延数 本年度 前年度
利用者数 639名   676名  
日 数 14,382日   15,179日  

 
デイサービス 利用定員 20名/日
 職員間で方向性や意識に統一感を持ちケアを行っていく事で、利用者が安心して過ごせる場となり、多くの笑顔を見る事ができた。しかし、利用者本位ではなく職員本位のケアになってしまい、「ゆっくり・優しく・確実に」対応できていない部分も多く見られた。相手の立場に立って考える事で、より良いケアに繋がる様努めていきたい。細かなことも家族・関係機関と密に連絡を取る事で、より良い関係を構築することが出来ている。これからも情報の共有をしっかりと行い、在宅生活を支えて行けるよう努めて行きたい。新型コロナウイルス感染症については、利用者・職員共に基本的な感染予防対策・ワクチン接種など感染リスクの軽減が出来ている。今後も感染予防対策を行い、楽しく安全に通える場の提供に努めて行きたい。
年間利用者延数 本年度 前年度
総合事業利用者 473名   484名  
介護給付利用者 3,827名   4,248名  

  
ホームヘルパー
 新型コロナウイルス感染症予防対策の徹底と利用者に寄り添うサービスの提供を心掛けて支援を行いました。認知症・体調悪化など、利用者の状況・環境の変化について、家族・各関係機関・事業所内で「報告・連絡・相談」を行い、ヘルパー間で連携を取りながら支援を行うなかで、他の在宅サービスの利用を希望される方や、新規利用を希望される方も多くおられ、とても有り難かった。新型コロナウイルス感染症で外部の研修参加が難しかったが、事業所内での1ヶ月に1回の研修を実施することが出来た。次年度も多くの利用者が望む、住み慣れた地域で生活が出来るよう、心を込めて支援を行ってまいります。
年間利用者延数 本年度 前年度
障害者 144回   177回  
総合事業 536回   371回  
介護保険 3,242回   2,814回  

 
訪問入浴サービス
 新規利用者の中には、終末期で短期間利用される方や他のデイサービスを利用中の方が、一時的な体調不良により、自宅では清潔保持が難しい為、訪問入浴を利用されたケースがありました。どのケースにおいても家族、本人が気持ち良く在宅生活ができるように支援をして喜んでいただけた。寝たきりの方が多い中、今までは移乗によるスタッフの負担も大きかったが、移乗用シートを使用することで負担を減らし、利用者においても安心して利用していただけた。
年間利用者延数 本年度 前年度
障害者 104回   149回  
介護保険 901回   817回  

 
居宅介護支援事業所
 昨年度においても新型コロナウイルス感染症の影響から、業務に一部制限を受けるなど、戸惑う事もあったが、オンラインでの会議やリモートによる研修など、新たな環境下での取り組みを行った。利用者においても、施設入所やお亡くなりになられた方、新規利用者においても重度者で短期間の関わりでサービスを終える人や、サービス利用まで至らない方々も多くみられた。尚、感染状況をみながらであったが、地域サロンへの参加、西条南地域で開催される民生委員・他職種と地域の課題について話し合う機会もあり、地域との交流や他機関との連携が構築できた。また、西条南地域主任介護支援専門員共同で作成する、配食サービスに関連した冊子も刷新しており、今後も地域に根付く主任介護支援専門員としての役割を深めるためにも、組織化へ向けて取り組んでいる。複雑化する介護保険の内容も、事業所内で介護報酬における勉強会を開くことにより、改定後も滞りなくサービスが調整できており、今後とも利用者や家族の意向を尊重したうえで、住み慣れた地域で自立した生活が送れるように支援していく。
年間利用者延数 本年度 前年度
介護予防 149件   139件  
介護保険 949件   1,037件  

 
訪問看護ステーション
 令和3年度、新型コロナウイルス感染症の不安感も加わり利用者・家族のストレスも増加している中、感染防止を徹底して安心・安楽な生活が少しでも長く送れる事を目標に支援してきた。濃厚接触者への訪問の際には防護服着用で対応し、作成したマニュアルに従った対応をする事で継続してサービスの提供が出来た。夜間・休日における緊急対応が延べ217件あった。転倒や急変時は状態観察し、家人・主治医と速やかに連携を取り対処した。電話での対応も多く話を聞くと落ち着かれる事もあり、その時々の状態に応じ対応を行った。自宅での看取り5名で、本人・家族の意向に沿った在宅での看取りが出来たと思う。令和3年度も新型コロナウイルスの影響で外部での研修の参加が難しかった。ケアの質を高める為にも、法人内での定例会議にて研修を行った。
年間訪問延数 本年度 前年度
医療保険
2,175回   2,726回  
介護保険 2,259回
  2,476回  
介護予防 106回   123回  

 

4)そ の 他

1.広報誌の発行
 8月と2月の年2回「しらゆり」を発行し、各関係機関・団体・地域住民及び入苑者とその家族等にも配布し、入苑者の生活状況、施設の活動状況を周知した。又、ホームページを活用し、法人の様々な情報を開示することを心掛けた。
 
2.1日苑長の委託
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、行なわず。
 
3.安全管理について
 入苑者の安全管理のため職員の非常召集表の整備、夜間の防災体制の確立、避難・消火訓練(年2回)などを実施し、防災対策を図った。更に月1回の安全点検日を設け、施設内の器具・設備・補修・危険物等の安全管理を実施した。
避難訓練・消火訓練(年2回 ※内1回は消防署立会) 
通報訓練(年1回)
消防設備点検(年2回)
消防設備等自主点検(毎月)
 
4.実習生・ボランティアの育成及び活動について
 介護福祉士養成実習、教職員免許法による介護等体験、ボランティアの受け入れ等行った。年間の実習生受け入れ人数は22名となっている。令和3年度も新型コロナウイルス感染症の影響から、各機関からの申し入れにより中止になった実習があった。ボランティアについては、新型コロナウイルスの感染状況に応じて可能な限り受け入れを行った。
 
【実習について】
広島福祉専門学校(4名) 黒瀬高校福祉科(14名) 広島国際大学(4名)
 
【ボランティアについて】
折紙教室(6名)
 
5.地域交流について
 新型コロナウイルス感染予防の観点から、積極的な地域交流はできなかった。しかし、当苑が地域における福祉の拠点としての役割を果たすためには、地域住民の理解及び協力を進めることが大変重要な課題であるため、地域行事、地域サロン、地域の教育機関等に対し職員の派遣を行なった。
 
6.職員研修について
老人福祉施設職員としての専門性を高めると共に、その資質の向上を図るために以下のとおりに研修会や会議に参加し、合わせて参加者全員に復命書の提出はもとより、伝達研修を行い全員に周知を図った。
① 施設内研修・会議
(1)ケース会議 (月5回)
(2)各委員会(毎月1回)
月間行事、入浴・排泄、リハビリ、クラブ・グループワーク、食生活
誕生会、保健衛生・感染症、身体拘束廃止・事故再発防止、しらゆり発行
喫茶、職員安全衛生管理、褥瘡予防・処遇改善
(3)主任者会議 (毎月1回)
(4)伝達研修 (毎月1回)
 ② 施設外研修
(1)直接処遇職員 延べ 48名 
(2)看護担当者研修 延べ 5名
(3)事務担当者研修 延べ 7名
(4)東広島ブロック研修 延べ 3名 
(5)居宅介護支援研修 延べ 42名
 
7.職員の異動について(法人全体)

  介護職 看護職 調理員 事務員
採 用 6 3 0 0
退 職 7 5 0 0

本年度の退職者は、家庭の事情、一身上の都合により12名の退職があったが、業務に支障のないように、それぞれに後任者を充てている。