HOME | 情報公開 | 令和4年度 事業報告

令和4年度 事業報告

1)社会福祉法人しらゆり会として

 
 今年度も新型コロナウイルス感染症の予防対策を法人一丸となって取り組みを行っていたが、特養、グループホームにおいて施設内クラスター感染が発生し、多くの入苑者そして職員への感染が確認された。人員の欠員等、非常に困難な状況の中、主治医や家族、行政各所との連携、施設内の適切なゾーイング、感染拡大を防ぐ為に職員に防護着等の着用の徹底など適切な対応を行い、その結果、重度化による入苑者の入院は無く施設内での対応によって全ての入苑者の回復を確認することが出来た。この経験そして反省を基に、来年度も全ての事業所で安心と安全を第一に社会福祉法人しらゆり会らしい利用者の状況を考慮したサービス提供が出来るよう心掛けていく。
 
事 務 所 
 令和4年度も新型コロナウィルス感染予防のため、面会が制限されたり行事や地域交流が中止になったりする状況が続いた。特に面会制限については、ご家族に理解と協力をして頂けたことに感謝している。感染予防に関しては、入苑者の安全を最優先させつつ判断・対応する事ができたが、広域型特養・地域密着型特養・グループホーム・ショートステイで新型コロナウィルスのクラスターが発生してしまった事があり反省点である。しかし、クラスター発生時には他機関との連絡や連携、PPEを中心とした必要物品の調達や在庫管理、他部署へのフォローなどを迅速かつ積極的に行うことができた。事務所内の職場環境作りについては、効率化を優先するあまり連携や協力が不十分な場面があり、改善できるところがあるように思う。ICTの活用については、各部署にあるパソコンを使用しての情報共有について取り組んだ。新たな取り組みのため情報共有ができない事や改善点があるが、「いつでも最新の情報が確認できる」「メモを作成し各部署に配布する業務を省略化できた」などの成果があった。今後はICTの活用に留まらず、DX化への取り組みを行う必要があると考えている。

2)施設サービス

【 特養入苑者の状況 】

 定員
(85名)
退所者
(36名)
看取り
(退所者のうち)
長期入院 その他
広域型
(56名)
 24名 19名
(79%)
5名 0名
地域密着型
(29名)
 12名  9名
(75%)
3名 0名


年 齢 状 況( 資料1参照
  最低年齢の方 最高齢の方
広域型 71歳  104歳
地域密着型 73歳   104歳


要介護度状況( 資料3参照
  男性 女性 平均
広域型  3.7 4.0 3.9
地域密着型  3.9 4.1 4.0


 
年 間 行 事
・誕生会(毎月)・クラブ活動(毎週) ・ショッピング(年10回)
・法話(年3回)・家族通信(毎月)・家族会(年4回)
・しらゆり喫茶(年12回)・折紙教室(年12回)・遠足(年1回)
・七夕ビアパーティ(年1回)・秋祭り(年1回)・お花見会(年1回)
・運動会 (年1回)・移動売店(月1回)
 
※令和4年度はこれらの行事を予定していたが、新型コロナウイルス感染予防対策として、様々な行事が中止、又は内容が変更となった。中止、又は変更になった行事は下記の通り。
・誕生会→ボランティアの受入を中止して開催する。
・クラブ活動→ボランティアの受入を中止して行う。
・ショッピング→全て中止。
・家族会→すべて中止。
・秋まつりは秋まつり喫茶として開催。
・敬老会は入苑者のみで行う。
・折り紙教室→新型コロナウイルスの感染状況により、12月と1月は中止。
・遠足→中止。
・お花見会→板城保育所との交流会は中止し入苑者のみで行なう。
 
広域型特養
 昨年度は、笑顔を忘れず、やさしい言葉遣いで接することを目標にして業務を行った。いつも笑顔でやさしく接している職員が多くいる一方で、時折強い口調になっている職員や、幼稚な言葉で話しかけている職員がいた。また、新規利用の方も多く、コミュニケーションを図りながら、個々の状態をしっかり把握し、苑の生活に慣れていただくように関わりをもった。利用者の方には穏やかに過ごしていただけたと思う。報・連・相については、職員間で話しやすい雰囲気づくりができていることで、情報の共有は比較的できていたと思う。感染症については、11月末から新型コロナウイルスが発症し、多くの利用者・職員に感染が拡がりクラスターとなり、全室居室対応となった。勉強会を何度か行っていたが、職員の感染対応の理解に差が見られた。また、多くの職員も感染したため業務に支障も出て、現場が混乱する事もあった。そんな中、他部署からの協力もあり、約1ヶ月で終息することができた。今後は、より一層の感染予防と蔓延を起こさないよう職員全員で統一した対応策を周知していく。
 
地域密着型特養 
 利用者の方に寄り添うという気持ちは、皆で共有しながら意識を持っていたが、人員不足の為業務に追われてしまい利用者の方が楽しみを持って頂けるようなレクリエーション活動が中々出来なかった。その中でも個々の関りを大事にする事を考えながら、利用者の方の笑顔を一つでも多く見れるように、皆で声を掛け合いながらの協力体制は出来ていた。部署内・他部署での「報告・連絡・相談」については、不十分な所もあった。お互いがまずは、傾聴をし、何が一番利用者の方にとって良いのかを、もっと情報の共有を行いながら同じ方向性を持って行きたい。新型コロナウイルス感染症については、日々の感染症予防対策に努めていたが、クラスターが発生してしまった。しかし、感染症に関する勉強会で学んだ事を活かす事が出来、他部署からの協力もあり、さらなる感染拡大をすることなく終息する事が出来た。今後も利用者の方が安心して生活を送って頂けるように、しっかりと寄り添って信頼関係の構築に努めて行きたい。
 
医 務 室
 日頃は、感染管理に対して伝達研修等で予防策を学び、またコロナワクチン接種も実施していたが、11月末から12月にかけて新型コロナウイルス感染症が蔓延しました。毎日の検温にて、有熱者は抗原検査を実施し陽性者には内服薬の処方を受け、日々の観察に努めた。苑全体で感染管理を徹底することにより、12月25日に終息した。看取りについては、希望された36名(ショートステイ5名含む)の方々の看取り介護を行った。安心して頂ける環境を整え、細やかに連絡することにより自宅で死を迎えるのと同じように自然に終末を援助することが出来た。
 
栄養士・調理
 コロナのクラスター発生により年末から年始にかけて大変な一年であったが、日頃の手洗い・うがい・手指消毒の重要性を確認することができた。又、給食職員も一人一人が気を抜くことなく衛生管理に努め邁進した結果、非常事態を乗り切ることができ、終息するまで罹患する者がいなかった。このことについては大変喜ばしい事であった。今後も慣れることなく気を引き締め徹底していきたい。整理整頓・適温給食については、まだ時間配分等基本のルールに戻れず、自分の都合で行動する人がいる為修正する余地がある。入苑者の安心・安全な生活が支援できるよう、多職種・他部署連携により一層の努力を継続したい。
 
(ア)お花見弁当     (イ)晩酌(月1回) (ウ)誕生会メニュー(月1回)
(エ)プチバースデー (オ)七夕まつり    (カ)遠足弁当 
(キ)栄養相談    (ク)喫茶(年9回)   (ケ)秋祭りバザー
(コ)餅つき     (サ)おせち料理     (シ)節  分
(ス)とんど祭り
 
※令和4年度はこれらの行事食を予定していたが、新型コロナウイルス感染予防対策として、様々な行事食が中止、または内容が変更となった。中止、または変更になった行事食は下記の通り。
・遠足弁当→中止。
・秋まつり→秋まつり喫茶として入苑者のみで開催する。
・晩酌12月→中止。
・誕生会12月→中止。
 
グループホーム 定員 18名 
 令和4年度は、ご利用者の方と職員の時間を大切に、お互いに信頼できる関係つくりに努めて来ました。昨年度から時間にゆとりがある時、手浴・足浴を行いハンドマッサージ等実施、ゆったりとした時間を共有する事で信頼関係を作ることが出来た。行事では、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症で色々制限される中、職員同士考え、ご利用者の方が喜んでいただける行事が開催出来た。職員においては、気を付けているが情報の伝達等に漏れもあり、そういった中での言葉の掛け合い不足や、考え方の違いで問題が生じ、ご利用者の方に迷惑をかける事もあった。また、12月中旬よりコロナ感染によるクラスターが発生、介護スタッフ・看護スタッフ、他部署の協力の下に1月初旬に終息する事が出来た。ご家族においては、絵手紙やお便り、緊急時の電話連絡等で状況報告を通して信頼関係を維持する事が出来た。今年度も、様々な感染症の予防に努め、ご利用者の方が今以上に安心して、日々の生活が楽しく送れる様に努めて行く。
 
退所者     3名(看取り2名)退所者のうち看取り66%
年 齢 状 況(資料1参照)  最低年齢の方 79歳  最高齢の方 99歳
要介護度状況(資料3参照)  男性 2.6  女性 3.2  平均 2.9

3) 在宅サービス

ショートステイ 定員 44名
 各種関係サービス事業所との連携については、必要に応じ情報交換を行い長期利用している方については、より良いサービスの提供が出来ていた。しかし、新規利用者に対しては利用初日に転倒されるということがあり、ご家族へ心配をかけてしまった。今後はもっと注意していく必要がある。新型コロナウイルス感染症については、12月に感染が蔓延し1カ月サービス提供が出来ず、利用者へは心配とご迷惑をおかけした。来年度は、より一層感染予防に努めていく。

年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
利用者数 589名   639名  
日 数 13,852日   14,382日  

 
デイサービス 利用定員 20名/日
 家族・関係機関と連絡を密にとり、利用者の状態把握に努めながら対応にあたる事が概ね出来ていたが、「報告・連絡・相談」がしっかりと行えていない事や、職員それぞれに理解度に斑があり適切な対応が出来ていない部分も見られた。今後は職員のスキルアップを図ると共に、「ゆっくり・やさしく・確実に」利用者本位の介護を行う様に努めて行きたい。新型コロナウイルス感染症については、職員4名利用者5名のクラスターが発生し事業所を閉鎖し対応を行った。改めて感染予防の意識をしっかりと持ち、利用者・家族に安心して利用して頂ける様に努めて行きたい。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
総合事業利用者 381名   473名  
介護給付利用者 3,146名   3,827名  

  
ホームヘルパー
 新型コロナウイルス感染症にて、感染予防に努めていたが利用者や職員の感染がありました。抗原検査を実施させて頂き、速やかな対応を行う事ができ、訪問時間の変更と調整を行い支援する事が出来た。訪問時以外で、自宅や外出先で転倒される利用者が多く見られ様子観察を行い、訪問後に職員間で報告・確認しあえた事で次の支援時に活かす事が出来、家族・各関係機関との連携を取りながら、支援を行う事が出来た。住み慣れた地域で自立した生活が安心して出来るよう、より良いサービス提供の向上に努めていきたい。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
障害者 151回   144回  
総合事業 600回   36回  
介護保険 2,814回   3,242回  

 
訪問入浴サービス
 自宅で過ごしたいという本人の思い、それを支える家族の思いに寄り添い、気持ちよく入浴して頂けるように、コミュニケーションをしっかりとり、それぞれの利用者に合わせた温度、入浴時間でサービスを行った。体調変化に伴い入浴が体力的に負担の大きい利用者もいたが、入浴回数を減らし、関係機関と連携をとり、身体保清の機会を確保できるように対応も行った。事業所と利用者との時間調整がつかず利用終了された方もいるが、現在利用中の方が長く利用して頂けるように誠心誠意対応していきたい。スタッフの新型コロナウィルス感染により、他部所より訪問に協力して頂いたり、訪問を中止する事もありご迷惑をかけたこともあるが感染拡大することなく終息した。大事には至ってないが、サービス中に水漏れがあったため定期的な点検、補修を行って安全にサービス提供できるように心がけたい。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
障害者 102回   104回  
介護保険 885回   901回  

 
居宅介護支援事業所
 今年度、新規事業である東広島市より委託事業として開催した介護者教室は、介護者・一般市民へ介護に対する知識・技術取得の場として延べ37人活用いただいた。特にヨガや太極拳といった実際に体験する介護予防や、移動販売・遺品整理等のインフォーマルサービスの内容が好評であり、次年度の内容にも繋げていきたい。また、西条南地域の事業所に所属する主任ケアマネなどで組織化された、西条南ケアマネネットワーク会にて、主任介護支援専門としての専門性の向上・地域貢献から、東広島市民の福祉向上に寄与する目的として活動をしている。ただ感染症や災害等が発生した際の互助システムが構築できておらず、次年度は具体的に検討していく必要がある。本年度は、事業所内でも新型コロナウイルス感染症により、一時業務へ影響があるも、保険者・各関係機関などと連携をとりながら、事業所内で日頃から各自の情報を共有していたこともあり、滞りなくサービスを調整し、利用者が安心してサービスを継続利用する事ができた。また事業所内で職員の異動1名があるも、スムーズに引継ぎが行われ、利用者・家族からの信任も厚く業務に支障もなく業務を行っている。昨今、利用者自身だけでなく、家族への特別な支援が必要なケースも増えており、介護保険関係者のみならず、他法関係者との連携を構築する事で、利用者・家族がこれからも住み慣れた地域で安心して生活できるよう、より一層支援を行っていきたい。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
介護予防 141件   149件  
介護保険 906件   949件  

 
訪問看護ステーション
 本年度においても新型コロナウイルス感染症の感染水準も高止まりの状況が持続しており、当事業所の利用者、その家族や職員も感染するという事態が発生した。毎日の抗原検査を行うなど検査体制を整えながら、安全な訪問を心掛け、利用者に対しては出勤した職員で訪問日時を調整しながらサービスの提供を行うことが出来た。緊急での夜間・休日の呼び出しが延べ123件あり、不定愁訴や寂しさから電話をされる事も多かった。本年度は入退院の支援が多かったものの、主治医や関係機関との連携や情報共有を行い、より良い看護の提供に努める事ができた。自宅での看取りについては、今年度はグループホームの方のみでしたが、希望があれば身近な医療の相談窓口として、利用者やその家族に寄り添った、看取りケアを提供していきたい。
年間訪問(延べ数) 本年度 前年度
医療保険
2,346回   2,175回  
介護保険 1,949回
  2,259回  
介護予防 99回   106回  

4)そ の 他

1.広報誌の発行
 8月と2月の年2回「しらゆり」を発行し、各関係機関・団体・地域住民及び入苑者とその家族等にも配布し、入苑者の生活状況、施設の活動状況を周知した。又、ホームページを活用し、法人の様々な情報を開示することを心掛けた。
 
2.1日苑長の委託
 新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、行なわず。
 
3.安全管理について
 入苑者の安全管理のため職員の非常召集表の整備、夜間の防災体制の確立、避難・消火訓練(年2回)などを実施し、防災対策を図った。更に月1回の安全点検日を設け、施設内の器具・設備・補修・危険物等の安全管理を実施した。
避難訓練・消火訓練(年2回 ※内1回は消防署立会) 
通報訓練(年1回)
消防設備点検(年2回)
消防設備等自主点検(毎月)
 
4.実習生・ボランティアの育成及び活動について
 介護福祉士養成実習や管理栄養士臨地校外実習の受け入れ等を行った。年間の実習生受け入れ人数は17名となっている。令和4年度も新型コロナウィルスの影響から、予定が変更になった実習があった。ボランティアについては、新型コロナウィルスの感染状況に応じて可能な限り受け入れを行った。
 
【実習について】
広島福祉専門学校(3名) 黒瀬高校福祉科(9名) 広島国際大学(3名) 比治山大学(2名)
 
【ボランティアについて】
折紙教室(10名)
 
5.地域交流について
 新型コロナウイルス感染予防の観点から、積極的な地域交流はできなかった。しかし、当苑が地域における福祉の拠点としての役割を果たすためには、地域住民の理解及び協力を進めることが大変重要な課題であるため、地域行事、地域サロン、地域の教育機関等に対し職員の派遣を行なった。
 
6.職員研修について
 老人福祉施設職員としての専門性を高めると共に、その資質の向上を図るために以下のとおりに研修会や会議に参加し、合わせて参加者全員に復命書の提出はもとより、伝達研修を行い全員に周知を図った。
① 施設内研修・会議
(1)ケース会議 (月5回)
(2)各委員会(毎月1回)
 月間行事、入浴・排泄、リハビリ、クラブ・グループワーク、食生活、
 誕生会、保健衛生・感染症、身体拘束廃止・事故再発防止、しらゆり発行
 喫茶、職員安全衛生管理、褥瘡予防・処遇改善
(3)主任者会議 (毎月1回)
(4)伝達研修 (毎月1回)
 ② 施設外研修
(1)直接処遇職員 延べ 44名 
(2)看護担当者研修 延べ 2名
(3)事務担当者研修 延べ 6名
(4)東広島ブロック研修 延べ 2名 
(5)居宅介護支援研修 延べ 12名
 
7.職員の異動について(法人全体)

  介護職 看護職 調理員 介護支援専門職 事務員
採 用 10 1 0 1 1
退 職 12 2 0 1 1

本年度の退職者は、家庭の事情、一身上の都合により16名の退職があったが、業務に支障のないように、それぞれに後任者を充てている。