令和7年度 事業報告
1)社会福祉法人しらゆり会として
前年度に引き続き今年度も各種感染症対策を充実させ、施設内にウイルスを持ち込まない体制を徹底したことにより、施設内での感染症の蔓延を防ぐことが出来た。次年度もこの感染症対策を確実に実施していく。
運営面としては、急激な物価高騰の煽りを受けあらゆる物品の値上がりが続いているが、現時点では適切な経費節減や見直しを行い最小限の影響に留めている。今後、介護報酬や補助金等の適切な見直しが無ければ法人運営に深刻な影響が出てくることが予想される。介護人材については、特定技能を持つ外国人人材の雇用を進めて人材不足問題の緩和を図っている。今働いてくれている職員の雇用環境の改善を行い優良な人材確保に努めていく。
現状、社会福祉法人の運営環境は決して良いもので無い。今年度は多くの方々、業者の協力もあり、堅実で安定した運営をなんとか保てることができたが、次年度は更なる苦難な状況が予想される。事業所の再編も視野に入れた運営の大幅な見直しを行っていかなければならない。
事 務 所
令和7年度は、職員一人ひとりが高い感染予防意識を保った結果、利用者・職員ともに感染事例はあったものの、施設内での大きな流行を防ぐことができた。また、利用者・家族・地域の皆様の理解と協力を得ながら、地域の感染状況に応じて柔軟に対応し、面会・地域交流・外出行事などを安全に実施することができた。
人材確保においては、多様な働き方を取り入れながら人材確保に取り組み、一定の成果がみられた。一方で、部署ごとの在籍年数の偏り、人材育成と定着、職場の風通しの改善など、組織として継続して取り組むべき課題も残されている。ICTの活用により情報共有が円滑になり業務の効率化ができ、その一方で、日々のあいさつや声かけなど、直接言葉を交わすコミュニケーションの重要性を改めて認識する場面も多かった。こうした日常的なやり取りの積み重ねが、働きやすい職場環境と職員同士の信頼関係の基盤になると考えられる。今後は、基本的なコミュニケーションを大切にしながら、ICTを活用した業務効率化を一層進めていくことが求められる。今後も、職員が心身ともに健康な状態で長く働き続けられる職場環境を整え、より質の高いサービス提供につなげていく体制づくりを進めていきたい。
2)施設サービス
特養入苑者の状況
| 定員 |
退所者 (24名) |
看取り (退所者のうち) |
長期入院 | その他 |
| 広域型 (56名) |
13名 | 9名 (89%) |
2名 | 2名 |
| 地域密着型 (29名) |
11名 | 9名 (81%) |
0名 | 2名 |
年 齢 状 況( 資料1参照)
| 最低年齢の方 | 最高齢の方 | |
| 広域型 | 69歳 | 107歳 |
| 地域密着型 | 70歳 | 107歳 |
要介護度状況( 資料3参照)
| 男性 | 女性 | 平均 | |
| 広域型 | 3.2 | 4.1 | 3.8 |
| 地域密着型 | 4.0 | 4.3 | 4.2 |
年 間 行 事
| ・誕生会(毎月) | ・クラブ活動(毎週) | ・ショッピング(年9回) |
| ・法話(年3回) | ・家族通信(毎月) | ・家族会(年4回) |
| ・しらゆり喫茶(年10回) | ・遠足(年1回) | ・七夕ビアパーティ(年1回) |
| ・秋祭り(年1回) | ・お花見会(年1回) | ・運動会 (年1回) |
| ・移動売店(毎月) |
広域型特養
利用者の方に笑顔でやさしい声かけを意識して接することについては、概ね実践できていたと思う。ただ、職員の人数が不足している際には、業務に追われて気持ちに余裕を持つことが難しく笑顔が減ったり、配慮に欠けた声かけになってしまったことがあった。また、利用者の方に待っていただくなど、ゆっくり関わる時間が十分に取れない場面もあった。そんな中でも、日々のかかわりの中でしっかりと様子観察を行い、「いつもと少し様子が違う」と感じた場合には速やかに他部署に報告し、医療機関への受診につなげるなど、早期に対応することができた。利用者のできることを増やしていきたいについては、なかなか難しい事でしたが、転倒により車椅子を使用されていた方が以前のように歩行出来るようになった方もおられた。職員間では、急な休みが発生した場合でも皆で声を掛け合いながら協力し合い、他部署の支援も受けつつ業務を進めることができた。また、「安診ネット」を使用することで、報告・連絡・相談がスムーズに行え、職場の雰囲気は良く、話しやすい環境を整えることができた。感染症に関しては、職員は感染症に罹患したが施設内に持ち込むことなく、利用者の方は新型コロナウイルスやインフルエンザの罹患者は出なかった。風邪症状がある場合には、カーテンでの隔離や居室対応を行い、蔓延を防ぐことができた。今後も勉強会を行い感染予防・蔓延予防に努めていきたい。
地域密着型特養
御利用者の立場に立ち一人一人の感情や個別のニーズを理解し、その人らしく生活ができる様に尊重しながら、安心感を持って頂けるように接する事は出来ていた。また、日頃から他部署との連携をとって接することで、安心した生活が送れる事にも繋がった。
レクリエーション活動については、生活の質の向上や充実感に繋げられたと感じている。
職員については、職員間の連携や情報共有が出来ていない事があり、支援にばらつきがある場面が見られた。また、全体を見て状況判断を行う行動が出来ていない所があった為、密にコミュニケーションを取りながら情報の共有・状況判断がしっかりと行える様に努めていきたい。
感染症については、疥癬が発症した事で、御利用者・御家族に不安な気持ちにさせてしまった。安心した生活が送れるように感染予防に努めていきたい。
医 務 室
感染症に対しては、11月新型コロナウイルスワクチン接種 12月インフルエンザワクチン接種しました。今年度は新型コロナウイルス、インフルエンザの感染はありませんでしたが地域密着型にて疥癬になった方がおり皮膚科受診して様子観察をした。又、12月から3月かけて風邪症状の方がいましたが早期に受診して重症化することなく軽快した。今後も日々体調管理、感染予防努める。看取りに対しては、広域型9名、地域密着型11名、シヨ-トステイ6名、計26名の看取り看護を行った。他部署との連携をし、ご家族、ご本人の気持ちに寄り添い穏やかな終末援助が出来た。ここにきて緩和ケアを必要とされる方もおられる為より一層気を引き締めて看護をしていきたい。
栄養士・調理
感染症予防・食中毒予防については、衛生管理に努め手洗い・うがい・手指消毒を励行し、予防することができた。しかし、調理の時間配分を守って業務を担う点については、早くに調理をする事が多々あり、今一つ努力が必要であった。今後は温度管理をきちんと行い、食中毒予防に努めたい。
節水・節電については、気が緩むとルーズになってしまうことがあるので、引き続き緊張感を持って臨みたい。部署内外において情報交換を図り、入苑者の情報を得ると共に基本方針に則って概ね目標に向かって努力したと思う。
グループホーム 定員 18名
令和7年度は、固定概念や先入観にとらわれず、利用者の方のありのままを受け入れ、楽しく笑顔で生き生きとした生活が送れるよう努めてきました。時には、固定概念や先入観で見てしまう事もありましたが、楽しく笑顔で生活できたのではないかと思われます。又、転倒による骨折事故があり、ご家族の方には大変ご心配をおかけしてしまいました。行事に関しては、春のお食事ドライブ・秋の紅葉ドライブ・日常の買い物の外出行事をはじめ、毎月の茶話会や誕生会等でメリハリのある生活ができきた。感染症に関しては職員や職員の家族が感染するケースはあったものの御利用者の方に感染する事はなくホーム内での感染を防げた。ご家族においては、絵手紙やお便り、緊急時の電話連絡等で状況報告を通して信頼関係を維持する事が出来た。今年度も、引き続き感染症予防に気を付けること。又、転倒事故のリスクを減らし怪我のないよう、安全で安心して生活が送れる様に努めて行きたいと思います。
退所者 5名(看取り4名)退所者のうち看取り90%
年 齢 状 況( 資料1参照) 最低年齢の方 77歳 最高齢の方 100歳
要介護度状況( 資料3参照) 男性 2.6 女性 2.9 平均 2.9
3) 在宅サービス
ショートステイ 定員 44名
利用者が少しでも住み慣れた自宅で家族とともに生活できるように居宅介護支援事業所からの情報を各部署と共有しサービス提供を行う事が出来た。又、ご家族とも話をする事により寄り添ったサービス提供を行うことも出来た。しかし、時に不安に思われるご利用者おられたため今後はもっと安心して頂けるサービス提供を行っていく。
| 年間利用者(延べ数) | 本年度 | 前年度 | ||
| 利用者数 | 534名 | 478名 | ||
| 日 数 | 14,457日 | 14,555日 | ||
デイサービス 利用定員 20名/日
普段より家族・関係機関と連絡を取りながら、状態把握や異常の早期発見・対応を行う事が概ね出来てきている。特に家族との情報交換は送迎時にしっかりと行う事で、日々のケアに活かせている。しかし、情報共有に必要な「報告・連絡・相談」が不十分な部分があり、統一感のあるケアをしっかりと行う事は出来なかった。また、「ゆっくり・優しく・確実に」利用者本位のケアを目指しているが、職員本位になってしまう事もあり、利用者・家族が安心・安全に利用して頂けていない部分もあった。職員間で情報共有の重要性をしっかりと理解し再確認を行いながら「ゆっくり・優しく・確実に」より良いケアが行えるように努めていく。感染症に関しては職員家族の罹患の為事業所の閉鎖があったが、利用者への感染拡大はなかった。今後も基本的な感染予防に努め感染拡大予防に努めていきたい。
| 年間利用者(延べ数) | 本年度 | 前年度 | ||
| 総合事業利用者 | 105名 | 173名 | ||
| 介護給付利用者 | 2,041名 | 2,586名 | ||
ホームヘルパー
住み慣れた地域で安心して生活を継続できるよう、身体介護および生活援助を中心とした訪問介護サービスを提供する事ができた。利用者一人ひとりのニーズに応じた支援を行い、自宅で生活できる環境づくりに努めたが、訪問時間外で転倒される方が数名あり施設入所されるケースがありました。見守りや認知症の独居高齢者も多く、生活支援のニーズが高まっている傾向が見られるため、今後も職員同士の細かな連絡・報告を行うよう努めていきたい。訪問時間の調整や追加依頼への対応もあったが、今後も業務の効率化および情報共有の体制の強化を図る事に努めたい。職員の資質向上を目的として、事業所内で定期研修を実施した。感染症対策を図り、関係機関との連携を行い利用者に安心してより良いサービスの提供に努めていく。
| 年間訪問回数(延べ数) | 本年度 | 前年度 | ||
| 障害者 | 249回 | 227回 | ||
| 総合事業 | 423回 | 543回 | ||
| 介護保険 | 3,337回 | 2,940回 | ||
訪問入浴サービス
令和7年度も感染症対策を取りながら介護保険利用者と障害者に対して在宅で快適に過して頂けるように入浴サービスを行った。それぞれの体調、希望に合わせて訪問して他職種とも連携をとりながら入浴をしてもらい全身保清に努めた。新規に利用される利用者は末期がんの方が多い傾向で中には本人に告知していないケースもあり、声掛けなどに配慮しながらの対応が必要な場面もあったが、少しでも気持ちよく安楽に入浴できるよう行った。利用者により最善の対応には違いがあるので、研修などを通して自己研鑽を行っていき全体としても技術の向上を図り、より安全、安心されるサービス提供を行っていきたい。訪問入浴車が1台となった為、日ごろからの点検整備を確実に行い安全なサービスにつなげたい。
| 年間訪問(延べ数) | 本年度 | 前年度 | ||
| 障害者 | 79回 | 143回 | ||
| 介護保険 | 695回 | 735回 | ||
居宅介護支援事業所
1.事業運営の基本方針と概況
「住み慣れた地域での自分らしい生活の継続」を理念に掲げ、利用者・家族の意向を尊重したケアマネジメントを実践した。
本年度は、要介護者延べ 908名(前年度比 8.04%減)、要支援者延べ 180名(前年度比 20.8%増)となり、要支援者に対するサービスの利用が増加傾向にある。介護保険サービスのみならず、保険外サービスや地域の社会資源を積極的に活用し、個々の生活状況に応じた柔軟な支援体制の構築を図った。
2.ケアマネジメントの質の向上(事業所内取組)
定例会の実施(毎週)
全ケースの共有および多角的な課題検討を行い、事業所全体で支援方針を統一することで、ケアマネジメントの標準化と質の底上げを図った。
人材育成と自己研鑽
適宜、内部研修(制度理解・支援技術等)を実施し、制度改正への対応力および専門性の向上に努めた。
3.地域連携および社会貢献活動
地域に開かれた事業所として、以下の活動を通じてネットワークの構築および地域課題の解決に取り組んだ。
- 普及啓発活動:介護者教室(年4回)および認知症サポーター養成講座に協力し、地域住民の介護および認知症に対する理解の促進を図った。
- 地域交流:民生委員との意見交換や地域サロンへの参加を通じ、顔の見える関係づくりを推進した。
- 専門職連携:西条南地域の主任介護支援専門員と合同で研修・事例検討を実施し、地域全体のケアマネジメントの質の向上および連携体制の強化を図った。
4.次年度に向けた課題と展望
今後も地域の関係機関との連携をさらに深め、利用者が安心して生活できる支援体制の充実を図る。また、より質の高いケアマネジメントの提供に向け、継続的な自己研鑽および地域貢献に取り組んでいく。
| 年間利用者(延べ数) | 本年度 | 前年度 | ||
| 介護予防 | 180件 | 149件 | ||
| 介護保険 | 908件 | 983件 | ||
訪問看護ステーション
令和 7年度夜間・休日の呼び出しは延べ 241件あり、緊急時には利用者の状態を的確に把握した上で、指示の点滴や処置を的確に実施した。受診が必要と判断した場合は、迅速に対応に努めた。
また、一人暮らしや介護力が不足しているケースでは入院加療を依頼することもあったが、入院が困難な場合には関係機関と連携し、ショートステイの利用などを調整することで、安全かつ安心に過ごせる環境の確保に努めた。在宅での看取りは数件あり、家族間での意見の相違など難しい場面もあったが本人の「自宅で過ごしたい」という強い希望を尊重し、家族の支援を行いながら、穏やかな最後を迎えられるよう関わった。週末期がんで入院中だった利用者が自宅療養を希望されたケースでは、病名が告知されていない状況下の支援となり、病状説明に苦慮する場面もあった。家族も本人の希望を尊重したい一方で、介護への不安を抱えていたため、入院し付き添うことを提案し、最終的に入院となり家族が看取られる形となった。さらに、喫煙習慣のある利用者に対しては火災予防として、灰皿に水を入れるなど注意喚起を行っていたが、自宅火災により全焼し、結果として施設入所となった事例もあった。
| 年間訪問回数 (延べ数) | 本年度 | 前年度 | ||
| 医療保険 |
2,289回 | 2,700回 | ||
| 介護保険 | 1,242回 |
1,502回 | ||
| 介護予防 | 48回 | 43回 | ||
4)そ の 他
1.広報誌の発行
8月と2月の年2回「しらゆり」を発行し、各関係機関・団体・地域住民及び入苑者とその家族等にも配布し、入苑者の生活状況、施設の活動状況を周知した。又、ホームページを活用し、法人の様々な情報を開示することを心掛けた。
2.安全管理について
入苑者の安全管理のため職員の非常召集表の整備、夜間の防災体制の確立、避難・消火訓練(年2回)などを実施し、防災対策を図った。更に月1回の安全点検日を設け、施設内の器具・設備・補修・危険物等の安全管理を実施した。
避難訓練・消火訓練(年2回 ※内1回は消防署立会) 通報訓練(年1回)
消防設備点検(年2回) 消防設備等自主点検(毎月)
3.実習生・ボランティアの育成及び活動について
介護福祉士養成実習、管理栄養士臨地校外実習、教育職員免許法特例法による介護等体験、インターシップの受け入れ等を行い、年間の実習生受け入れ人数は24名となっている。ボランティアについては、新型コロナウィルスの感染状況に応じて可能な限り受け入れを行い、ボランティアの年間受け入れ人数は200名となっている。
【実習について】
広島福祉専門学校(1名) 黒瀬高校福祉科(11名) 広島国際大学(2名)
広島大学(9名) 広島アニマルケア専門学校(1名)
4.地域交流について
地域における福祉の拠点としての役割を果たすためには、地域住民の理解及び協力を進めることが大変重要な課題であるため、地域の感染状況に合わせながら、また、感染予防に努めながら他機関と協力しながら地域の教育機関等に対し職員の派遣を行った。
5.職員研修について
老人福祉施設職員としての専門性を高めると共に、その資質の向上を図るために以下のとおりに研修会や会議に参加し、合わせて参加者全員に復命書の提出はもとより、伝達研修を行い全員に周知を図った。
① 施設内研修・会議
(1)ケース会議 (月5回)
(2)各委員会 (毎月1回)
月間行事、入浴・排泄、リハビリ、クラブ・グループワーク、食生活
誕生会、保健衛生・感染症、身体拘束廃止・事故再発防止、しらゆり発行
喫茶、職員安全衛生管理、褥瘡予防・処遇改善
(3)主任者会議 (毎月1回)
(4)伝達研修 (毎月1回)
② 施設外研修
| (1)直接処遇職員 | 延べ 24名 | (2)看護担当者研修 | 延べ 10名 |
| (3)事務担当者研修 | 延べ 19名 | (4)東広島ブロック研修 | 延べ 9名 |
| (5)居宅介護支援研修 | 延べ 19名 |
7.職員の異動について(法人全体)
| 介護職 | 看護職 | |
| 採 用 | 5 | 5 |
| 退 職 | 11 | 3 |
本年度の退職者は、家庭の事情、一身上の都合により14名の退職があったが、業務に支障のないように、それぞれに後任者を充てている。