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令和6年度 事業報告

1)社会福祉法人しらゆり会として

 
 今年度、新型コロナウイルス感染症を始めとする様々な感染症が定期的に社会に感染拡大する環境の中で職員一同、施設の中にウイルスを持ち込まない為に必要と考えられる行動を徹底して行うことが出来た。その結果、施設内での感染拡大を未然に防ぐことに成功した。次年度も引き続き緊張感を絶やさずに感染症対策に努めていきたい。介護報酬改定の年を迎えたが、その内容は決して現場の現状を鑑みた改定内容ではなく、人材不足や物価高騰等の状況も重なり在宅サービスを中心に非常に厳しい経営環境となっている。その結果、多くの介護サービス事業所が廃止、規模縮小を余儀なくされていくことが予想される。そのような状況の中ではあるが、現時点では社会福祉法人として地域の老人福祉の担い手として安定した法人運営を行うことが出来ている。しかしながら5年後、10年後の未来でもしっかりとした形で存続していく為には、事業内容の大幅な見直しを含む社会福祉法人しらゆり会の再構築を考えていく必要がある。
 
事 務 所 
 感染症に対する意識を高く持つことで感染予防の徹底が図られ、利用者や職員に新型コロナウィルス感染事例はあったものの、クラスターの発生には至らなかった。また、利用者・家族・地域の皆様のご理解ご協力により、地域の感染状況に応じた柔軟な対応や、面会・地域交流・外出行事なども安全に実施することができた。人材確保については、多様な働き方を模索しハローワーク等と連携しながら人材確保に取り組むことができた。一方、人材の定着・育成、風通しの良い環境を作ることについては、一定の成果があったものの十分に達成できたとは言い難く、人材の定着・育成のためにも、周囲に配慮した積極的なリーダーシップを発揮しながら、より風通しの良い職場環境を作る必要がある。今後は活発なコミュニケーションによる風通しの良い職場環境作りに加えて、記録のデジタル化やICTの活用による働きやすい環境作りへの取り組みを行なっていきたい。

2)施設サービス

【 特養入苑者の状況 】

 定員
(85名)
退所者
(17名)
看取り
(退所者のうち)
長期入院 その他
広域型
(56名)
 11名 9名
(82%)
2名 1名
地域密着型
(29名)
  6名  5名
(83%)
0名 1名


年 齢 状 況( 資料1参照
  最低年齢の方 最高齢の方
広域型 68歳  106歳
地域密着型 75歳   106歳


要介護度状況( 資料3参照
  男性 女性 平均
広域型  3.6 4.0 3.9
地域密着型  4.0 4.4 4.3


年 間 行 事
 ・誕生会(毎月) ・クラブ活動(毎週) ・ショッピング(年9回)
・法話(年3回) ・家族通信(毎月) ・家族会(年4回)
・しらゆり喫茶(年10回) ・遠足(年1回) ・七夕ビアパーティ(年1回)
・秋祭り(年1回) ・お花見会(年1回) ・運動会 (年1回)
・移動売店(月1回)    


 

 
広域型特養
 利用者の方へ笑顔でやさしい声かけを意識して接することは、概ね実践できていたと思う。ただ、職員の人数が不足している際には、業務に追われて心の余裕が持ちづらく、笑顔が減ったり配慮に欠けた声かけになってしまったりすることがあった。また、利用者の方にお待ちいただくなど、ゆっくり関わる時間が十分に取れない場面もあった。それでも、日々のかかわりの中で様子をしっかり観察し、「いつもと違う」と感じた場合には速やかに他部署に報告し、医療機関への受診につなげるなど、早期に対応することができた。職員間では、急な休みが発生した場合でも皆で声を掛け合いながら協力し合い、他部署の支援も受けつつ業務を進めることができた。また、報告・連絡・相談がスムーズに行える雰囲気を作ることや、話しやすい環境を整えることができた。感染症に関しては、新型コロナウイルスやインフルエンザの罹患者は出なかった。利用者の方に風邪症状がある場合には、カーテンでの隔離や居室対応を行ったが、つつじ棟では症状が広がり、全室で居室対応を実施することがあった。今後も勉強会を行い感染予防・蔓延予防に努めていきたい。
 
地域密着型特養 
御利用者一人ひとりに寄り添う気持ちを大切にし、コミュニケーションを取りながら心身の状態を考慮し、安心した生活の場となる様な環境づくりは出来ていた。しかし、全体での情報の共有となると、各棟ごとになってしまい共有できていない部分があった。全体で周知徹底・情報の共有を行う為には、個々の意識の改善とスキルアップが必要だと感じた。「御利用者に楽しみのある生活を持って頂きたい。」との思いから、クラブ委員会が中心となり様々な活動を行い、生活機能の維持・向上に繋げることが出来た。御利用者の体調管理については、看護師としっかり連携を取ることが出来、御利用者・スタッフ共に安心出来たと感じる。また、となりのクリニックが開設した事で御利用者も安心されていた。感染予防対策については、日々感染症対策に努めていたが、8月に新型コロナウイルスに3名。 1月にインフルエンザに6名の御利用者が感染された。しかし、感染が拡大する事なく最短で終息出来たが、他の御利用者・御家族に不安な気持ちにさせてしまった。今後も、反省を活かして御利用者が安心して生活を送って頂けるように、しっかりと寄り添い、楽しみをもって頂けるように関わりを大事にして行きたい。
 
医 務 室
 平素より感染予防の対策を行っていたが 8/19地域密着型にて新型コロナウイルスに感染された方が2名おられましたが、前回の経験をふまえて感染予防と抗原検査を実施し感染拡大する事なく終息しました。又は 2月終わりには、つつじ棟にて風邪が蔓延しましたが、早期に内服処方、受診などして、 3月初めには軽快されました。今後も感染予防と体調管理に留意してゆきたいと思います。看取りに関しては希望された 25名【ショ-トステイ 4名を含む】の方々の看取り看護を行った。ご家族、ご本人にしっかり寄り添い環境を整え各部署と連携を密にして安心して穏やかに終末を援助する事が出来た。
 
栄養士・調理
 利用者の方々が穏やかに過ごして頂ける生活の場である様に、感染症予防・食中毒予防のため、手洗い・うがい・手指消毒をはじめとし衛生管理に努めたが、意識が薄れた時には、実行できていなかった。また、「食」への関心が高められるように行事食を取り入れ楽しんで頂いたが、心にゆとりがない時に作業優先となり、適温給食に配慮できなかったり、配膳ミスがあったように思う。他部署とはコミュニケーションを取り連携を図るように努めたが、部署内では「報・連・相」の徹底が図れず、指示が通らないことがあった。ライフラインの大切さや、物品(食器・器具等)の取り扱いは、自分の心がけ次第で行えることを再認識する。全体的に見て良い反省ではなかったように思われる為、今年度は引き締めていきたいと思います。
(ア)お花見弁当 (イ)晩酌(月1回) (ウ)誕生会メニュー(月1回)
(エ)プチバースデー (オ)七夕まつり (カ)遠足弁当
(キ)栄養相談 (ク)喫茶(年9回) (ケ)秋祭りバザー
(コ)餅つき (サ)おせち料理 (シ)節  分
(ス)とんど祭り    


グループホーム 定員 18名 
 令和6年度は、小人数ならではの家庭的で落ち着いた雰囲気の中、認知症が穏やかになり、安定した生活が送れるよう個々に合わせた支援をしてまいりました。時には職員の都合でゆったりとした時間がとれず個々に合わせた支援が提供できない事があった。又、看取りに関しては数名の看取りを行ないご家族の希望に沿いながら主治医及び看護師と連携をとり、人生の最後を安らかに迎えられる事ができたと思う。行事に関しては、令和5年度より外出行事を再開していたが飲食は行えておらず令和6年度より飲食を再開しました。お食事ドライブではお弁当持っていき現地で食べ、お土産を買って食べたりとても楽しい時間を過ごす事ができた。板城小学校児童との交流会では子供達と触れ合う事で、いつもと違う表情を沢山見ることができた。感染症に関しては、職員や職員の家族が感染するケースはあったものの、御利用者の方に感染する事はなくホーム内での感染を防げた。ご家族においては、絵手紙やお便り、緊急時の電話連絡等で状況報告を通して信頼関係を維持する事が出来た。今年度も、引き続き感染症予防に気を付け、ご利用者の方が安心して、日々の生活が楽しく送れる様に努めて行く。
 
退所者     3名(看取り3名)退所者のうち看取り100%
年 齢 状 況(資料1参照)  最低年齢の方 76歳  最高齢の方 99歳
要介護度状況(資料3参照)  男性 2.6  女性 2.9  平均 2.8

3) 在宅サービス

ショートステイ 定員 44名
 各種関係サービス事業所と情報共有がとれていた事により、緊急なショートステイ利用に対しても、対応することができていた。又、利用中の事故や御家族の御意見をしっかりと聞き、寄り添ったサービス提供を行うこともできていた。しかしながら、充分ではない所もある為、今後も小さな情報でも共有していく。

年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
利用者数 478名   587名  
日 数 14,555日   12,954日  

 
デイサービス 利用定員 20名/日
 利用者本位のケアを行うため、「ゆっくり・優しく・確実に」を目標にケアに当たって来たが、職員本位になってしまう事もあり利用者個々のニーズに合ったケアをしっかりと行う事が出来てない部分があった。職員が意識の統一感・同じ方向性を持ってケアに当たる為に、しっかりと「報告・連絡・相談」をより強く行っていく必要があると感じた。しかし、家族・関係機関との連携は以前よりも密に行えており、状態把握・早期対応に繋がることが増えてきている。今後も統一感を持ってケアに当たり、利用者本位のより良いケアを目指していきたい。
今年度は職員2名の新型コロナウイルス感染があり、5日間の閉鎖があった。また、利用者1名への感染があったが、拡大することなく終息を迎えることが出来た。
感染・感染拡大予防をしっかりと行い、利用者・家族が安心して利用して頂けるように努めていきたい。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
総合事業利用者 173名   252名  
介護給付利用者 2,586名   3,191名  

  
ホームヘルパー
 住み慣れた自宅で自立した生活を送って頂けるよう、サービスを提供していく中で、支援時間外に自宅で転倒される方や身体の痛み・原因不明な発熱等から体調を崩される方がいるため、利用者の日頃の状態を観察し関係事業所へ報告・相談する事で、異常の早期発見・対応へと繋げる事ができた。職員間で情報の共有に努めましたが、細かな部分が伝わっていない事があり、確認と連携強化を行い、個々のスキルアップのため研修へ参加し、事業所内でも定期研修を行いました。昨年度は、圏域内で閉鎖する訪問事業所があり、多数の相談・対応を行いました。事業所変更後もサービスの質が維持されるよう、関係事業所との連携、利用者・家族との信頼関係の構築に努めました。今後も利用者・家族が満足され、そのひとらしい生活がおくれる為、質の高いサービスが提供できるよう努めていきたい。感染症については、インフルエンザ 2名感染されました。今後も感染予防対策を行っていく。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
障害者 227回   153回  
総合事業 543回   333回  
介護保険 2,940回   2,884回  

 
訪問入浴サービス
 利用者一人ひとりとコミュニケーションを取りながら体調などに合わせ安全を心掛けて入浴サービスを行った。末期がんで数回しか利用できない方もいたが、利用者と家族の思いに寄り添い少しでも気持ちよく在宅生活が送れるように支援した。 MRSA感染症のある利用者に対しては手袋などできる限りの感染症対策を行い、訪問日の最後に訪問することで感染が広がらないように対応した。職員間では皆でフォローしながら業務を行ってきたが体調不良で休職する職員もいたので、日ごろから体調管理に気をつけていきたい。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
障害者 143回   149回  
介護保険 785回   669回  

 
居宅介護支援事業所
 今年度実施された運営指導において、当事業所は法令を遵守した適正な業務運営が行われているとの結果であり。今後も引き続きコンプライアンスを徹底し、質の高いサービスを提供する事に努めたいと思います。また、介護報酬の改定に伴い、新たに事業所として、取り組まなければならない、感染症や災害への対応力向上、高齢者虐待防止の推進、ヤングケアラーへの支援強化などがもり込まれ、公正中立なケアマネジメントの実施に向けた多様化・複雑化する課題への対応が求められています。当事業所においても、これらの課題に適切に対応するため、研修の充実や他機関との連携強化を進め、包括的な支援体制の構築に取り組んでいます。さらに、当事業所は特定事業所加算算定事業所として、今年度も介護支援専門員実務研修の実習生受け入れを行い、実践的な研修を通じて専門職の育成に努め、将来を担う介護の人材育成に貢献しています。地域貢献活動としては、年間 4回介護者教室を開催し、延べ 97名の方々にご参加いただきました。また、西条南包括支援センターの依頼を受け、認知症サポーター養成講座を実施し、地域住民や中学校の認知症に関する理解促進に努め、さらに出前講座を通じて介護の知識を広め、地域の福祉力向上にも寄与しました。今後も、利用者や地域の皆様が安心して暮らせる地域づくりを目指し、質の高いケアマネジメントの提供と地域福祉の推進に尽力していきたいと思います。
年間利用者(延べ数) 本年度 前年度
介護予防 149件   111件  
介護保険 983件   884件  

 
訪問看護ステーション
 令和 6年度の夜間・休日の呼び出しは述べ 188件あった。緊急で訪問状況を確認したところ、精神面からくる不安による不定愁訴と思われるものや救急車を依頼し、受診しなければならないケースもあった。受診の必要がある場合には、主治医や関係機関と連携を密にし迅速に対応する事が出来た。自宅にてターミナルを希望された方が 3名おられたなかで、 2名は本人や家族の希望通り自宅で看取る事が出来たものの、1名の方は末期がんで独り暮らしでもあり、最期まで自宅でとはいかなかったが、体調悪化時は早目に受診し Drの指示のもと出来る限り苦痛を和らげるよう援助し、出来る限り自宅で過ごしていただくことが出来た。具体的に無理だと思う固定概念や先入観にとらわれずケアしていく必要があると感じた事例もあった。感染症に関しては利用者 1名がインフルエンザに罹患された方があった。他の利用者やスタッフ共々に、感染する事はなかったが、引き続き感染予防に努めていきたい各スタッフの希望に合わせながら、研修会に参加し、自己研鑽に努めた。今後の業務に役立てていきたい。
年間訪問(延べ数) 本年度 前年度
医療保険
2,700回   2,369回  
介護保険 1,502回
  1,634回  
介護予防 43回   68回  

4)そ の 他

1.広報誌の発行
 8月と2月の年2回「しらゆり」を発行し、各関係機関・団体・地域住民及び入苑者とその家族等にも配布し、入苑者の生活状況、施設の活動状況を周知した。又、ホームページを活用し、法人の様々な情報を開示することを心掛けた。
 
2.安全管理について
 入苑者の安全管理のため職員の非常召集表の整備、夜間の防災体制の確立、避難・消火訓練(年2回)などを実施し、防災対策を図った。更に月1回の安全点検日を設け、施設内の器具・設備・補修・危険物等の安全管理を実施した。
避難訓練・消火訓練(年2回 ※内1回は消防署立会) 通報訓練(年1回)
消防設備点検(年2回) 消防設備等自主点検(毎月)
 
3.実習生・ボランティアの育成及び活動について
 介護福祉士養成実習、管理栄養士臨地校外実習、教育職員免許法特例法による介護等体験の受け入れ等を行った。年間の実習生受け入れ人数は21名となっている。ボランティアについては、新型コロナウィルスの感染状況に応じて可能な限り受け入れを行った。ボランティアの年間受け入れ人数は93名となっている。
 
【実習について】
広島福祉専門学校(1名) 黒瀬高校福祉科(12名) 広島国際大学(8名)
 
4.地域交流について
 当苑が地域における福祉の拠点としての役割を果たすためには、地域住民の理解及び協力を進めることが大変重要な課題であるため、地域の感染状況に合わせながら、また、感染予防に努めながら他機関と協力しながら地域の教育機関等に対し職員の派遣を行った。
 
6.職員研修について
 老人福祉施設職員としての専門性を高めると共に、その資質の向上を図るために以下のとおりに研修会や会議に参加し、合わせて参加者全員に復命書の提出はもとより、伝達研修を行い全員に周知を図った。
① 施設内研修・会議
(1)ケース会議   (月5回)
(2)各委員会    (毎月1回)
 月間行事、入浴・排泄、リハビリ、クラブ・グループワーク、食生活
 誕生会、保健衛生・感染症、身体拘束廃止・事故再発防止、しらゆり発行
 喫茶、職員安全衛生管理、褥瘡予防・処遇改善
(3)主任者会議 (毎月1回)
(4)伝達研修  (毎月1回)
   
 ② 施設外研修

(1)直接処遇職員 延べ 16名 (2)看護担当者研修 延べ 0名
(3)事務担当者研修 延べ 16名 (4)東広島ブロック研修 延べ 4名
(5)居宅介護支援研修 延べ 21名    

 
7.職員の異動について(法人全体)
  介護職 看護職 介護支援専門員
採 用 8 5 1
退 職 9 4 1

本年度の退職者は、家庭の事情、一身上の都合により14名の退職があったが、業務に支障のないように、それぞれに後任者を充てている。